羽生結弦選手、衣装も金メダル

ピョンチャンオリンピック、男子フィギアスケートで金メダルをとった羽生結弦選手。その日(2018年2月17日)日本中を沸かせました。

なぜ羽生選手の金メダルを取り上げるのかというと、羽生選手の衣装に注目したからです。
フリースタイルの曲は「陰陽師」をテーマにした曲です。陰陽師が活躍したのは平安王朝の時代で、衣装もそれに合わせてイメージされたものになっていました。

狩衣といわれる装束です。もとは天皇が狩りをするときに、同行する公達が着用したといわれ、当初は普段着る平服で、烏帽子とセットになっていましたが、後年には冠を着用し晴儀にも使われるようになりました。

狩衣の特徴は肩に割れがあることです。狩衣は身幅の狭い布を使うため、身の部分に袖を全て縫い付けてしまうと動きが不自由になるので、後ろ身の一部だけを縫い付けていたからです。羽生選手の衣装も肩割れにしつらえています。

もう一つの特徴は、袖括りの糸があることです。これは袖口を括って動きやすくためのもので、大針、小針と交互に表に出します。袖括りの先には露といわれる袖括りの紐を出します。羽生選手の衣装もよく見ると袖口に紐が垂れています。

肩割れも、露ももともとは実用面での仕様ですが、後にこれがオシャレ、当時の言葉でいうと風流として使われるようになります。片割れは下に着用する小袖が覗きますが、小袖の色をいろいろと変えたり、ときには何枚か重ねたりして、風流を楽しみました。露は、袖を括る目的からオシャレだけのための装飾になります。この狩衣、後年、武家裝束に影響を与えることになります。

ちなみに、陰陽師が活躍した平安時代、頭は「冠下の髻」といわれる髷を結っていましたが、表出することはありません。下は指貫という袴姿でした。

羽生選手、衣装の面からも金メダルです。

丘圭・著