高橋雅夫さんの東洋文庫版『都風俗化粧伝』

佐山半七丸、速水春暁斎・画による『都風俗化粧伝』(みやこふうぞくけわいでん)は文化10年(1813)に京都の板元から上梓されました。女性の化粧、髪型、肌・毛髪の手入れ、身だしなみ、所作などに関するバイブル的な書物です。

『都風俗化粧伝』東洋文庫版(平凡社)、内表紙

著者の佐山半七丸は不明です。速水春暁斎は京都の絵師で、佐山半七丸と同一人物という説もあります。

上巻、中巻、下巻があり、
上巻は、顔面之部、
中巻は、手足之部、髪之部、化粧之部、
下巻は、恰好之部、容儀(かたちづくり)之部、身嗜之部
の七部で構成されています。

『都風俗化粧伝』は、江戸後期から大正期まで5回上梓され、約1世紀にわたり読みつがれた超ロングセラーです。絶板後も一般の婦人雑誌に化粧や肌の手入れなどに関する記述が引用されています。
理美容業界の専門誌にも髪に関する記述が引用されていますし、妙録も発行されtます(「美容の友」社、昭和55年/1980年刊)。
近年では、『結髪の匠』(中嶋幹夫・著、平成14年/2002年刊、ヘアトラッド社)に部分的に掲載されています。

『都風俗化粧伝』については、いろいろな妙録本がありますが、完璧なのは高橋雅夫さんが注釈した東洋文庫版(平凡社、昭和57年/1982年)です。高橋さんは、同書奥付によると、「著述業」で、専門は「化粧史」とあります。化粧、化学に関する豊富な知識、また『本草綱目』を引用し紹介するなど、丁寧に解説しています。

化粧や髪結に興味のある人は読んでおきたい一冊です。

丘圭・著

高橋雅夫さんの東洋文庫版『都風俗化粧伝』」への1件のフィードバック

コメントは停止中です。