日本髪と剃髪、髪切

女性が関所越えをするときの手形には、女、禅尼、尼、比丘尼、髪切、小女などの区別があることを以前、紹介しました。(『髪を解かれた、女の関所越え』)

6つに区分されていますが、「女」は大人の女で髪を結った女性です。「小女」は少女です。これ以外は寡婦か宗教関係者の女性です。
禅尼、尼は剃髪した未亡人です。禅尼、尼の違いは身分によります。禅尼は身分の高い未亡人、尼はそれ以外の未亡人です。

寡婦になっても剃髪をしない、髪切姿の女性もいます。髪切は、江戸時代の禿(かむろ)、あるいはいまのボブヘアに近い髪型のほか、髻を結い垂れた髪を切りそろえる髪型などいろいろあります。髪の長さも短めから長めまでいろいろです。

比丘尼(びくに)は、禅尼に仕える剃髪女性をはじめ、伊勢の尼寺慶光院や善光寺の尼僧、熊野比丘尼などです。熊野比丘尼は宗教性のある遊女として知られ、平安後期から鎌倉時代にかけての白拍子に通じるものがありそうです。

江戸時代に日本髪の文化がおこりました。日本髪を結う女性が大半だったと思われますが、寡婦をはじめ一部の賤民女性は日本髪とは無縁の生活をおくってました。

丘圭・著