日本の女性は美人、男子は出っ歯に眼鏡!?

日本のステロタイプとして、フジヤマ、ゲイシャガール、サクラなどがある。
幕末から明治にかけて来日した欧米人によって、ステロタイプ化され、いまでも日本といえば、この3点セットがまかり通っている。

上・ワーグマンのイラスト。このイラストで、眼鏡をかけた出っ歯が日本男子の代名詞に(ジャパンパンチ、1882年、明治15年5月号)。 下・英国人写真家H.G.ポンティング撮影。立ち姿の3人の芸者。明治後期の作品といわれる。ポンティングは南極大陸を探検したスコット隊に随行したカメラマン。日露戦争でもカメラマンとして日本軍に同行し中国に行った。日本には通算3年ほど滞在し、多数の風景、人物を撮影。「この世の楽園・日本」などの著作がある。
上・ワーグマンのイラスト。このイラストで、眼鏡をかけた出っ歯が日本男子の代名詞に(ジャパンパンチ、1882年、明治15年5月号)。
下・英国人写真家H.G.ポンティング撮影。立ち姿の3人の芸者。明治後期の作品といわれる。ポンティングは南極大陸を探検したスコット隊に随行したカメラマン。日露戦争でもカメラマンとして日本軍に同行し中国に行った。日本には通算3年ほど滞在し、多数の風景、人物を撮影。「この世の楽園・日本」などの著作がある。

ヨーロッパでジャポニズムが一世を風靡した19世紀後半、多くの浮世絵が渡り、当時の西洋絵画界に影響を与えたことが知られている。浮世絵は芸者や遊女を描いたものが多く、日本髪の存在を欧州に知らしめたはずだ。

また、明治になってからは日本の芸者を写した写真が多くヨーロッパに伝わっている。浮世絵はデフォルメされているが、写真に写された芸者は総じて美しい。いまの人気女優と比べても引けをとらない。
ゲイシャガールの存在は、欧米から多くの男性を引き寄せる一因になったかもしれない。

一方、日本男児はというと、これが出っ歯に眼鏡がステロタイプ化されて広まった。誰の仕業かというと、1861年(万延2年、文久元年)に来日した英国人のチャールズ・ワーグマンといわれる。ロンドン・イラストレイテッド・ニュース紙の特派員として来日し、日本で起きた事件などをイラストにしてロンドンに送っている。
その一方で、ジャパンパンチというイラスト紙を横浜居留区で発行しているが、そこに描かれた日本男児は、眼鏡、出っ歯だ。この絵が欧米に広まり、日本男児は、眼鏡、出っ歯にステロタイプ化された。
当時、栄養状態がよくなかったことから、実際に出っ歯の人が多かったという説もあるから、まんざら虚偽の描写ではない。

ワーグマンより遅れて来日した仏国人のビゴーも明治時代の日本人の日常生活をイラストで描いている。ビゴーの場合は達者な日本語で遊郭に潜り込んで、そこで見た情景も多く描いている。
そして、ワーグマン、ビゴーが描く芸者や遊女は総じて美しい。

浮世絵、イラスト、写真だけではなく、来日した欧米人が残した叙述でも、日本の女性は献身的で明るく、可愛らしいと非常に好意的に紹介されている。中には神秘的で、女神のようだ、などとの叙述もある。明治の時代、日本の女性は世界の男性から憧れの対象だったのかもしれない。
ちなみにワーグマンもビゴーも日本人女性と結婚し子供をもうけている。

今回は日本髪とは、直接関係のないお話しでした。

丘圭・著