トンソレ、バーバー、一銭剃り

理容師は英語で「バーバー」(barber)といいます。英語ですが、バーバーといえば理容師と認識されるほど世界共通語的な存在になっています。もちろん男性客相手の仕事で、女性客相手の仕事はヘアドレッサー(hairdresser)といいます。

barberの由来は諸説あります。babarian(バーバリアン)、barba(バルバ)が有力です。
babarianは、野蛮人や未開人などの意味があります。barbaはラテン語で、あごひげの意味があります。
未開人はあごひげを伸ばし放題で、そのあごひげを剃るのを仕事としたことから、barberが生まれたのかもしれません。
ギリシア語では、異邦人、言葉を理解しない人、共通語を話さない人などの意味があるそうです。

一方、古の理容外科医はtonsore(トンソレ)と呼ばれていました。ラテン語でひげ剃り職人のことです。トンソレは紀元前500年頃のギリシアの壺にトンソレによる瀉血が描かれていて、紀元前からあった職業です。

トンソレという言葉が後年、バーバーに変り、両者に継続性があるのか、バーバーという言葉がトンソレとは関係なく使われるようになったのかは不明です。両者には「ひげ」「ひげ剃り」の意味で共通点があります。

日本の床屋は、江戸時代初期には「一銭剃り」といわれ、月代を剃るのを仕事にしていました。ひげと月代とでは部位は違いますが、剃るという施術は洋の東西を問わず共通しています。そして剃る対象は男性です。それも共通しています。

丘圭・著