ヒゲ剃りが習慣の古代ローマ

服装や姿で身分や階級を識別するのは、古来から行われてきました。ヒゲの有無が身分の識別にされた時代がありました。古代ローマの時代です。

兵士として活躍し自由市民の地位を得た市民は奴隷と区分するためにヒゲを剃ることが義務付けられました。
ヒゲがあると、白兵戦でヒゲを掴まれたりして不利です。そこでローマの兵士は軽石でヒゲを処理して戦闘に備えました。軽石にヒゲを挟んでこすり合わせて断毛したのだと思われます。

古代ローマは、数多くの公衆浴場が建造され、戦争のない平時は浴場で、市民はヒゲをはじめ体毛の処理を行っていました。市民は特権階級ではありません。セルフで処理していました。剃刀を使う市民もいたかもしれませんが、ワックスのようなもので毛を処理していた人が多かった。セネカという当時の哲学者は公衆浴場について「うめき声でうるさい」と書き残しています。かなりな苦痛がともなう除毛だったようです。

丘圭・著