古代ローマの理容店

古代ローマには理容店があった、と紹介している文庫本があります。PHP文庫『一日古代ローマ人』(2012年)という本です。

この本によると、古代ローマの理容店では、ひげ剃りと髪の毛を整え(調髪)ていました。店のレイアウトは現在の理容店とそう変わらず、映りは悪いが鏡もあり、椅子に腰掛けた客に布製のマント(カットクロス)をかけて技術したとあります。

理容師は、ローマ時代以前のバビロンの理容師、中世の理容師と同様、外科的な措置も行っていた、と理容師の仕事の内容を紹介しています。
ヨーロッパでは古来より理容師は、ひげや髪の施術と外科的な施術の両方をこなしていたのは確かなようです。古代ローマの理容師に限らず、ヨーロッパの理容師は市民から尊敬され、高収入を得ていました。

理容店を利用していたのは富裕層でない市民で、後世の理容店同様、集会所的な場所として賑わったといいます。富裕層は、多くの奴隷を抱えていて、その中から理容の専属奴隷を育てひげや頭髪の手入れをさせていました。

『一日古代ローマ人』、ローマ時代のガイドブック的な軽い読み物で、理容に関することに限らず、引用元の史料についての記載がほとんどありません。したがって前述の理容店、理容師に関する元史料は不明です。

編集部がなんらかの資料をもとに書き、それを金森誠也さんというドイツ文学者が監修した書籍です。ドイツ文学の専門家ですが、ラテン語やローマ時代にも精通しているのでしょう。

丘圭・著