戦争の影響を受ける風俗

風俗は戦争の影響を受ける、という一面があります。古代ローマの男性はショートヘアにしヒゲは短く処理している時代が続きますが、これは戦闘のときに髪やヒゲが長いと敵に掴まれるのを避けるためといわれています。

日本でも月代をするようになったのは、兜を被ると頭が蒸れてのぼせてしまうのを避けるためといわれています。月代をして頭と兜の間に空間をもたせれば、蒸れることはありません。

ローマ時代、ヒゲの処理は浴場で行っていましたが、浴場のあちこちでうめき声が聞こえたと記録にあります。おそらく抜いていたのだろうと思われます。日本の月代もけっしきという木製の大きな毛抜で処理していました。耐えられないほどの痛みがあったと思われますが、戦場で首を取られることを思えば我慢できるはずです。

欧州では、ヒゲは専門の理容外科医が長く処理していましたが、第一次世界大戦で兵士に安全剃刀を支給したことからセルフでヒゲを処理する習慣が根付いたといわれています。

第一次世界大戦では、働き手の男性が戦場に駆り出されたため、その穴埋めをした女性は手入れが簡単で仕事に支障のないショートヘアにしました。それでショートヘアが広まったといわれています。(当時蔓延した頭シラミを防ぐためという説もあります)
日本でも太平洋戦争を機に、女性の洋髪化、洋装化が一気に進んだのと同じです。

戦争はすべてに多大な影響を与えますが、風俗にも少なからず影響を与えているのは間違いありません。

丘圭・著