床屋風景 F・ベアト

フェリーチェ・ベアト撮影。

ベアトさんは幕末から明治初期にかけて、報道写真をはじめ風景写真、肖像写真などさまざまな写真を数多く撮っています。掲載の写真は幕末から明治元年か2年ごろにかけての撮影と思われます。

本物の床屋(右)と中床といわれる職人をモデルにした演出写真のようです。
右の客はきれいに月代が剃り上げられ、床屋が左右の鬢の毛束を引き寄せ、髻の位置を見極めている様子です。

左の客は顔を傾けて髭を剃ってもらっているところです。月代を剃るのは中床の仕事ですが、この位置からではすでに剃り終わっているのか、これから剃るのかは不明です。剃り終わったあと、床屋が髷を結って仕上げます。

場所は、屋外の出床のようです。
店を構える内床に対して、人通りのある路地などに仮設の床を張って仕事をする床屋を出床といいます。このほか、客宅に出向いて仕事をする回り床屋があります。いまの出張理美容のようなものです。

フェリーチェ・ベアト(Felice Beato、1832年-1909年)。イタリア人、のち英国籍。
文久3年(1863年)来日。21年間にわたり滞在。
『イラストレイティッド・ロンドン・ニュース』の挿絵画家、チャールズ・ワーグマンと「Beato & Wirgman, Artists and Photographers」を設立し、元治元年(1864年)から慶応3年(1867年)まで共同経営。
明治2年(1869年)-明治10年(1877年)、横浜で「F.Beato & Co.,Photographers」を経営。上野彦馬らと撮影を行う。1877年に店をたたんだあとは実業家に転身。
明治17年(1884年)離日。