前髪立行商人前髪剃去

江戸時代を通して奢侈の禁止や風俗を正す触れが数多く出されます。
寛文10年(1670)12月14日には「前髪立行商人調査」が行われ、同月28日に「前髪立行商人前髪剃去」(『撰要永久録』『御触事』『正宝事録』など )が出されます。風俗矯正の一つです。

前髪を立てた少年風の行商人の風俗を改め、前髪を剃り落として野郎の風体に改めよ、という触れです。前髪立、立前髪ともいいます。当時、江戸の町を横行していたかぶき者が好んでした髪型です。そんな髪型をまねた行商人、棒手売が多くいたのが推測されます。

天和2年(1682)年8月18日には髪型に限らず「風俗矯正」の触れ(『憲廟実録』『常憲院殿御実紀』)が出されます。翌年には、医者の蓄髪が命じられ、総髪になります。以来、総髪髷姿が江戸の町医者の定番になります。

そして貞享3年(1686)、公儀はかぶき者、大小神祇組200余人を追補します。これで江戸の町から、長キセル、長太刀姿のかぶき者風俗は一掃されます。

丘圭・著