美容術営業取締規則 昭和5年の大改正

昭和5年は、理髪業にとって画期となる年でした。一つは試験制度が取り入れられ、東京市で試験が行われたこと。もう一つは、理髪店の開業が免許制になり、新たに開業するには理髪師の試験に合格することが求められるようになったことです。

それまでは届出で開業することができました。

明治34年に届出制を定めた美容術営業取締規則が大改正されたのが昭和5年(1930)でした。
規則に美容術とあるように、試験の名称は美容術試験といいます。所管は東京の場合は、東京警視庁で、各道府県の警察庁がそれぞれ試験を実施しました。写真の合格証は三重県で発給された合格証です。三重県では昭和6年に初めて試験が行われたのがわかります。

美容術営業取締規則は警視庁令として発布されています。理髪師の試験は以後、道府県単位で、警察庁が所管して実施します。
昭和13年には内務省から衛生局が分離し、厚生省が誕生し、理髪業は厚生省の所管になります。警察署から保健所の管轄になるはずでしたが、昭和12年(1937)に制定された保健所法で、最初にできた保健所は13年4月です。保健所の設置はなかなか進まず、相変わらず警察署が所管していた地域が多かったようです。

道府県単位での実施で始まった理髪師試験ですが、全国統一試験になるのは半世紀後の平成2年(1990)に理容師美容師試験センター(現・理容師美容師試験研修センター)が設置されて学科試験が全国統一で行われてからです。学科試験は全国統一になりましたが、免許証の発給者は都道府県知事で、厚生大臣の発給になるのは平成10年(1998)になります。

丘圭・著