三田村鳶魚全集

「三田村鳶魚全集」全28巻(中央公論社)。
江戸時代のことについて、多岐にわたり、かつ膨大に記述(口述筆記が多い)しています。ただし風俗、文化に関しては江戸の街が中心になっています。「三田村鳶魚全集」第7巻(江戸っ子・江戸の生活と風俗)に髪結関係の記述があります。

近年、歴史学者の山本博文さんらによって鳶魚さんの業績を再評価する動きがあります。
しかし、鳶魚さんの記述を読むと、たとえばある書物を引いて「任侠と博徒は別」とあるかと思えば、別の書を引いて「任侠は博徒の別称」とあったりします。
また、喜田川守貞さんが実際に聞いた音を、簡単に一蹴してしまうのですが、その理由が上方生まれの守貞はあてにならない、というのです(木遣りに関する記述)。鳶魚さん、江戸の研究家であると同時に、江戸っ子なのです。
その辺のところは差っ引いて読まないといけないと思いますが、江戸に関する知識は膨大で、随所に参考になる記述があるのは確かです。

三田村鳶魚(みたむら えんぎょ)

明治3年(1870)~昭和27年(1952)
八王子市(武蔵国八王子)生。
報知新聞記者などを経て、江戸風俗、江戸文化を研究。