嬉遊笑覧

(喜多村信節)

天保1 (1830) 年発刊。各巻上下2章構成で全12巻、付録1巻。各項目を和漢古今の文献を引用して解説し、体系的に整理した百科事典的な書物(随筆)。江戸風俗を知る有益な資料として知られ、「近世風俗志」(喜田川守貞)も多く引用しています。
髪・風俗関係は、巻之一下に「容儀」として紹介されています。引用先の原文も掲載していますが、漢文のものが多く、もちろんレ点や返り点はふってありますが、読むのに時間がかかります。

「嬉遊笑覧」を引用した「近世風俗志」は和文表記なので、読みやすく、そんなことから、「近世風俗志」は重宝がられているのかもしれません。

「嬉遊笑覧」で、喜多村信節さんは過去と現在(江戸後期)を比較しているくだりもあるのですが、喜多村さんの見聞はその経歴から、江戸市中、下町のことと理解するのが無難です。

喜多村信節(きたむら のぶよ)。喜多村筠庭(きたむら いんてい)ともいいます。
天明3年(1783)~安政3年(1856)。
江戸後期の国学者・考証学者。江戸の人。江戸町年寄喜多村彦右衛門の弟。
庶民社会の風俗や諸事に詳しく、多くの著作あり。「嬉遊笑覧」のほか、「筠庭雑録」、「瓦礫雑考」、「武江年表補正」などがあります