貞丈雑記

(ていじょうざっき)
伊勢貞丈著。
有職故実書。
天保 14 (1843) 年、貞丈没後に弟子が改訂を加え刊行。
伊勢貞丈が、宝暦 13年 (1763) ~天明4年 (1784) 年の 22年間にわたり記述した、子孫への古書案内,故実研究の参考書。 16巻。

武家の有職に関する事項を、礼法,礼儀,人品,人物,人名,小袖,烏帽子,役名,官位,装束,飲食,膳,酒盃,輿,調度,書札,進物,弓矢,武具,刀劔,馬,馬具,家作,座鋪,紙類,皮類,鳥目,鷹,物数,言語,神仏,諸結,凶事,雑事,書籍の35部に分類記載。

守貞さんも「近世風俗志」で、「貞丈雑記」を引用しています。守貞さんが頻繁に引用する「嬉遊笑覧」でも引用しています。それをまた守貞さんが引用した孫引きもあります。それくらい「貞丈雑記」は信頼されているようです。

伊勢貞丈
元々、室町幕府政所執事の家柄で、礼法に精通した家系の生まれ。
江戸幕府3代将軍・徳川家光の時に貞丈の曾祖父伊勢貞衡(さだひら)が召し出されました。
享保11年(1726年)、兄貞陳が13歳で夭折したため、伊勢氏は一旦断絶しましたが、弟である貞丈さんが10歳で再興、300石を賜り寄合に加えられました。延享2年(1745年)28歳で御小姓組に番入り、儀式の周旋、将軍出行の随行などにあたった、といいます。
貞丈さんは特に中世以来の武家を中心とした制度・礼式・調度・器具・服飾などに詳しく、武家故実の第一人者とされ、伊勢流中興の祖といわれています。
天明4年(1784年)3月麻布に隠居、5月28日に死去、享年67。

著書に、、『平義器談』『四季草』『貞丈家訓』『安斎随筆(公家・武家の有職故実や事物の起源、字訓の正誤などを広く随録したもの)』『安斎雑考』『安斎小説』『刀剣問答』『軍用記』『犬追物類鏡』『座右書』『武器考証』『鎧着用次第』『包結図説』『条々聞書貞丈抄』『神道独語』など多数があります。